銅の錯体ってどうして正方形なの?

みなさんこんにちは!

ともきです!

 

勉強は早い時期からやったもん勝ち!

今すぐこの記事を最後まで読むことで、

早い時期から勉強に「差」をつけよう!

 

さて以前の記事について、

錯イオンの立体構造には

配位子の数&VSEPR則

の二つが関わっていることを学んだ。

 

配位数2個 ならば 直線形

配位数4個 ならば 正四面体形

配位数6個 ならば 正八面体形

になるんだったね!

 

しか~し! 例外が存在する!

テトラアンミン銅(II)イオン:[Cu(NH3)4]2+

テトラヒドロキシアルミン(III)酸イオン:[Al(OH)4]-

は配位子が4つしかないのに

正方形形になるんだ!

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今回はこの「謎」を解き明かしていくよ。

 

銅イオンの「謎」

あらかじめ注意しておくと、

テトラアンミン銅(II)イオンでは

高校化学の範囲を大幅に超えた

大学で学ぶ高度な知識が必要なんだ。

 

今回は高校生でも理解できるように

かみ砕いて説明していくよ~

 

一言に要約して説明すると、ズバリ!

本当は6配位の錯体なんだけど

ヤーンテラー効果で形が歪んで

正方形のように見える

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初めて聞く単語が登場したはずだ。

まず「ヤーンテラー効果」とは何だろうか?

 

ヤーンテラー効果とは、

エネルギーを安定化しようとして

分子の立体構造が変化すること

を意味する化学用語だ!

 

この場合は、

正四面体形や八面体形ではなくて、

正方形形がエネルギー的に安定である

ことがいえるね!

 

今度は配位数に着目してみよう。

 

水分子は極性分子であるから、

酸素原子

水素原子に帯電している。

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すなわちイオンに近い状態なので、

さらに水分子が二つ結合するのは容易で

実際は[Cu(NH3)4(H2O)2]2+

の6配位で存在している。

 

4配位ではなく6配位になる理由はこれだ

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これ以上の詳細な説明は、

d電子だったり、縮退の解消だったりと

高校では理解し難い概念が多数登場するので

省きます! すみません!

 

それではお粗末なブログになっちゃうので、

ヤーンテラー効果が起こりやすい錯体

説明しておきます。

 

それはズバリ!

・遷移金属の八面体形錯体

・銅(II)錯体

が起こりやすくなる条件だ!

 

これをテトラアンミン銅(II)イオンに適用すると、

・本当は6配位になる

・銅(II)イオンが中心原子

と、見事条件に一致してる!

 

だからこそ、テトラアンミン銅(II)イオンは

ヤーンテラー効果を起こしたがって

正方形形になることで

エネルギー的に安定になるんだ!

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正直、大学入試で問われない題材だけど

覚えておいて損はないし、

落単のリスクを少しでも回避できるなら

頭に留めておく程度に知っておくべき!

 

本日はここまで!

次回はテトラヒドロキシアルミン(III)酸イオン

の理由について説明するよ。

 

一読ありがとうございました!